ピロリ菌という名前の響きはかわいいように聞こえますが、慢性的な吐き気や、食欲不振、胃痛、便秘などを引き起こす恐ろしい菌です。それだけではなく、最近ではピロリ菌は胃炎や胃がん、胃潰瘍の原因であることが明らかとなっています。2006年の時点では、約半数以上の日本人がピロリ菌に感染しているとされています。戦後の衛生状態が悪い時代に生まれ育った人達が、高い感染率を示しています。特に発展途上国においては感染率が高く、今や世界中でピロリ菌感染者は増加しています。
それに比べて先進国では感染率が低い傾向があります。ピロリ菌は、飲み物や食べ物から感染しやすく、特に衛生状態の悪い場所では、ピロリ菌が繁殖しやすくなります。したがってピロリ菌に感染しやすくなるのです。ピロリ菌の範囲は広く、狭心症や心筋梗塞などの自己免疫疾患、虚血性心疾患、神経疾患などもその一つであり、皮膚疾患もピロリ菌の影響を受けています。皮膚疾患にはかゆみや湿疹が多くありますが、じんましんが発生することもあります。
じんましんにはいくつか種類があり、アレルギー性じんましん、温熱じんましん、機械的じんましんなどがあります。病巣に住みついている細菌の毒素などの影響でおこるじんましんは、今までは扁桃腺炎、副鼻腔炎、虫歯が原因とされていました。しかし、今後じんましんの原因とされる物質は、ピロリ菌も加わります。
最近の報告では、ピロリ菌を持っているじんましんの患者に対し、ピロリ菌の除菌をした結果、65%~80%の患者が、じんましんの改善があったとされています。ピロリ菌による胃の不調と、じんましんを含めた皮膚の異常がある人は、ピロリ菌を除菌することで病気が治る可能性があります。
じんましんは、皮膚の浅い層の部分に赤みやブツブツなどの皮疹や、いろいろな大きさの部分的なむくみが出現してしまいその部分に強いかゆみを伴う症状のことを言います。じんましんの症状によって痛みや感じ方にも違いがあります。焼けるような熱さを感じることもありますし、チクチクとした痛みを感じたりすることもあります。じんましんは発症してから数分から数時間後にだんだんと消えてなくなります。
しかし、症状によっては再発を繰り返すこともあります。発症時間の短いじんましんで、すぐに治まるようなものが急性じんましんと呼ばれています。一方で、症状が治まらないまま痒さやしっしんが続くものを慢性じんましんと呼んでいます。じんましんの特徴は、赤みやかゆみだけではなく、症状がひどくなってしまうと次々に新しい膨らみがあらわれたり、どんどん範囲が広がったりすることもあります。
じんましんの大きさは、1~2mm程度から大きさは様々で、症状によってはじんましんが融合して、体の大部分が覆われてしまうといった危険性もあります。形そのものには特に意味はないのですが、円形、環状、線形、地図状などの赤みが特徴です。じんましんだと思っていた症状が、カサカサに乾燥してしまったり、茶色く跡が残ったりしたら、別の病気を疑う必要もあるそうです。